Excelピボットテーブルの使い方【前編】|脱・属人化につながる集計の基本

「この集計、〇〇さんしかできないんだよね…」
そんな状態になっていませんか?

放課後デイでは、利用実績の確認や各種加算のチェックなど、毎月さまざまな集計作業が発生します。

手作業の集計はミスが起きやすく、担当者しかやり方が分からない状態になりがちです。

中でも、利用実績や加算の確認は、請求にも関わる重要な業務です。

その一方で、手計算によるヒューマンエラーが不安だったり、特定の職員に作業が集中する「属人化」が起きていたりと、このような状況は、放課後デイの現場では珍しくありません。

そんなときに役立つのが、Excelの「ピボットテーブル」です。

集計方法を決めてしまえば、担当者が変わっても同じ結果を出しやすくなります。

この記事では、放課後デイの利用実績データの集計を例に、Excelピボットテーブルの基本的な使い方から、実際の業務での活用方法まで分かりやすく解説します。

前編では、放課後デイで「集計の属人化」が起きる原因と、ピボットテーブルを使うメリットを解説します。
後編では、実際にピボットテーブルを作成する手順を図解付きで紹介していきます。

目次

放課後デイの現場で「集計の属人化」が起きる原因

日々の利用実績や加算の集計業務では、「なぜか特定の職員にばかり負担が集中してしまう(属人化)」という悩みが起こりがちです。

これは、現場の職員さんの能力不足ではなく、Excelの使い方や業務の進め方の構造に原因があります。

具体的には、次の2つの「ブラックボックス(見えにくさ)」が原因です。

原因1:集計手順が『人の頭の中』にしかない(マニュアルの不在)

まず1つ目は、毎月の集計手順がマニュアル化されておらず、担当者の経験や勘に頼っている状態です。

  • 「この列は集計に使わないから手作業で削除して……」
  • 「ここはフィルターをかけて、〇〇の加算対象者だけ残して……」
  • 「最後はこの順番で並べ替えて、請求ソフトに入力する数字を手計算で出して……」

こうした細かい手順が、すべて『担当者の頭の中』にしかありません。

そのため、担当者が変わるとやり方も変わってしまったり、場合によっては「今月と先月で集計結果が違う」といったミスにつながることもあります。

原因2:前任者が作った「複雑な関数」を誰も直せない(数式のブラックボックス化)

2つ目は、「過去にExcelが得意だった職員が作った集計シート」を、そのまま引き継いで使っているケースです。

一見、数字を入力するだけで自動計算してくれる便利なシートに見えますが、中を覗くと、VLOOKUP や SUMIFS、IF といった複雑な関数が何重にも組まれていませんか?

関数でガチガチに固められたシートでは、次のようなトラブルが起きた瞬間に運用が止まりやすくなります。

  • 利用実績に新しい集計項目を追加したくなった
  • 途中で行や列を挿入したら、数式の範囲がズレて合計が合わなくなった
  • 数式を誤って消してしまった

数式が複雑すぎると、他の職員では「どこをどう直せばいいのか分からず、怖くて触れない」という状態になりがちです。

その結果、結局はそのシートを作った人や、パソコンに詳しい特定の人に頼るしかなくなってしまいます。

利用実績集計にピボットテーブルを使うメリット

こうした属人化の問題も、ピボットテーブルを活用することで改善しやすくなります。

ピボットテーブルを使えば、複雑な関数を何重にも組まなくても、集計できるようになります。

マウスのドラッグ&ドロップ操作だけで、誰でも同じ集計結果を出せる仕組みを作れるため、職員間の引き継ぎも圧倒的にラクになります。

では、実際にピボットテーブルを導入すると、現場ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、放課後デイの利用実績集計で特に役立つメリットを紹介します。

誰がやっても同じ結果になる(属人化の解消)

ピボットテーブル最大のメリットは、「誰が集計しても同じ結果になりやすい」ことです。

利用実績を手作業で集計していると、

「この利用者は何回利用したかな?」
「送迎回数は何回だったかな?」

といった確認作業を担当者ごとのやり方で進めることになりがちです。

ピボットテーブルなら、集計方法を一度作っておけば、ボタン操作だけで同じ集計結果を表示できます。
担当者が変わっても同じ手順で集計できるため、「〇〇さんしか分からない業務」を減らしやすくなります。

データを追加するだけで集計を更新できる

毎月の利用実績集計では、

・集計範囲が変わるたびに関数を修正する
・別ファイルから今月分のデータを手作業でコピペする

といった作業が発生しがちです。

ピボットテーブルなら、集計元シート(毎月の入力シート)にデータを追加し、「更新」ボタンをクリックするだけで、最新の集計結果を反映できます。
毎月の定型業務が多い放課後デイでは、この更新のラクさが大きな強みになります。

ピボットテーブルを使うための「たった1つの条件」

これほど強力なピボットテーブルですが、実は導入するために必要なポイントは1つだけです。

それは、元となるExcelデータが「テーブル形式(1行に1件のデータ)」で整理されていることです。

【元データのイメージ】

日付利用者名提供形態おやつ迎え送り欠席
4月1日Aくん1110
4月1日Bくん1010
4月1日Cくん0001
4月2日Aくん0100

このように、「日付・利用者・利用内容」などが1行ごとに整理されているデータが必要になります。
もし現在のデータがこの形式になっていない場合は、この機会にピボットテーブルで集計しやすいデータ形式へ変更してみてはいかがでしょうか。

この形でデータを管理しておけば、ピボットテーブルによる集計はもちろん、今後のデータ分析や業務効率化にも活用しやすくなります。

まとめ

放課後デイの利用実績集計では、手作業や複雑な数式によって「属人化」が起きやすくなります。

しかし、ピボットテーブルを活用すれば、

  • 誰でも同じ集計ができる
  • データ追加だけで集計結果を更新できる

といったメリットがあり、利用実績の集計を大きく効率化できます。

難しい関数を覚える必要はありません。
日々のデータを正しいルールで蓄積し、集計をピボットテーブルに任せることで、誰が作業しても同じ結果を出しやすい仕組みを作ることができます。

次回は、実際にピボットテーブルを作成し、利用回数や送迎数を集計する手順を図解付きで紹介します。

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