第1回では「成長療育型施設向けクラウド」のHUG、第2回では「月額0円から始められる」コノベルをご紹介しました。
「それぞれの特徴は分かったけれど、業界でよく使われている定番のシステムについても知りたい」
そんな方に向けて、今回は「カイポケ児発・放デイ」をご紹介します。
カイポケ児発・放デイは、国保連請求から日々の記録管理まで対応している総合クラウドサービスです。
HUGと比較されることも多く、導入を検討する際に候補に挙がりやすいサービスの一つだと思います。
しかし、SEの視点で見てみると、カイポケの強みは請求や記録管理だけではありません。
口座振替や会計連携、タブレットレンタルなど、事業所運営に必要な周辺サービスまでまとめて利用できるのは、他のクラウドサービスにはあまり見られない特徴だと思います。
介護・福祉業界で広く利用されているカイポケですが、実際には事業所によって向き・不向きがあります。
「コノベルやHUGと何が違うの?」
「月額費用に見合う価値はあるの?」
今回は、そんな疑問に答えながら、カイポケ児発・放デイの特徴や向いている事業所・向いていない事業所について、SEの視点で解説していきます。
- 【第1回】HUG(ハグ)
- 【第2回】コノベル
- 【第3回】カイポケ児発・放デイ(この記事)
カイポケ児発・放デイとは?
カイポケ児発・放デイは、介護・福祉業界大手の株式会社エス・エム・エスが提供する、児童発達支援・放課後等デイサービス向けの総合型(オールインワン)クラウドサービスです。
全国で3,200事業所以上(2026年現在)に導入されており、業界内での知名度も高く、導入候補としてまず名前が挙がりやすい定番サービスの一つです。
最大の特徴は、支援記録の作成、国保連請求、保護者請求、各種帳票作成など、事業所運営の中核となる業務を一元管理できる点にあります。
多くのシステムが「現場業務の効率化」を目的としているのに対し、カイポケは「事業所運営全体の効率化」を目指した設計になっています。
現場の業務改善だけでなく、経営基盤そのものを支える仕組みまで用意されている点は、カイポケならではの強みと言えるでしょう。
単なる請求ソフトじゃない!カイポケが事業所運営全体を支えられる理由
支援記録や国保連請求を管理できるシステムは他にもあります。
しかし、カイポケが業界内で高いシェアを維持している理由は、それ以外の部分にもあります。
口座振替による集金業務の効率化、会計ソフトとの連携、タブレットや通信環境の支援など、事業所運営を支える周辺サービスが充実している点です。
ここからは、カイポケならではの代表的なサポート機能を見ていきましょう。
【運営支援】送迎車やタブレットの導入もサポート
児発・放デイを運営するには、システムだけでなくスマホやタブレット、送迎車などの準備も必要になります。
カイポケは運営に必要な周辺サービスまで用意されているのが特徴です。
カイポケモバイル
業務用スマートフォンを定額料金で利用できる法人向けサービスです。
通話し放題・データ通信付きで、契約期間の縛りや解約金はありません。
遠隔データ消去にも対応しており、セキュリティ面も安心です。
カイポケタブレット
支援記録などに利用できるタブレットを毎月15GBの通信量込みの月額料金でレンタルできます。
初期費用を抑えながらデジタル化を進められます。
カイポケカーリース
送迎車をリースで導入できます。車両管理や突発的な出費の負担軽減につながります。
備品購入サービス
事業所運営に必要な備品も、カイポケ会員向けの特典を利用してお得に購入できます。
システムだけでなく、事業所運営に必要なモノやサービスまでまとめて利用できるのはカイポケならではの特徴です。特に新規開業時は、複数の業者を探して契約する手間を減らせるため、準備を効率的に進めやすいと思います。
【保護者連携】ルクミー連携で連絡業務を効率化
児発・放デイの運営では、保護者との連絡も大きな業務の一つです。
日々の活動報告や欠席連絡の受付、緊急時のお知らせなど、電話や紙の連絡帳で対応していると、職員・保護者の双方に負担がかかります。
カイポケでは、保育・教育分野で広く利用されている「ルクミー」の保護者連携機能を追加費用なしで利用できます。
デジタル連絡帳
活動記録や連絡事項をアプリ上で共有できます。紙の連絡帳の準備や管理の負担を減らせます。
一斉連絡・お知らせ機能
イベント案内や緊急連絡をアプリへ一斉配信できます。
欠席・遅刻・送迎連絡
保護者はアプリから欠席や遅刻、送迎変更の連絡ができます。電話対応の負担軽減にもつながります。
注意:ルクミー連携で知っておきたいこと
- ルクミーを利用するには、別途初期設定や保護者へのアプリ案内が必要
- カイポケとルクミーの間で児童・職員データは自動同期されない
- 情報変更時は両方のシステムで更新が必要になる場合がある
カイポケには専用の保護者向けアプリはありませんが、ルクミーと連携することで保護者連携機能を補完しています。
請求や記録管理はカイポケ、保護者連携はルクミーという役割分担になっており、それぞれ実績のあるサービスを組み合わせているのが特徴です。
自社ですべてを作り込むのではなく、得意分野を活用する合理的な構成と言えます。
【資金繰り支援】早期入金と口座振替サービス
児発・放デイを運営する上で、請求業務だけでなく資金繰りや集金業務も重要な業務の一つです。
国保連からの報酬は請求から入金まで時間がかかります。また、保護者への実費請求も未収金対応や集金業務の負担が発生します。
カイポケでは、こうしたお金に関する業務を支援するサービスも用意されています。
カイポケ早期入金
国保連からの入金を待たずに資金化できるサービスです。
新規開業時や事業拡大時など、資金繰りを安定させたい場面で活用できます。
カイポケ口座振替
保護者への請求データを作成することで、口座振替による集金業務を行えるサービスです。
現金管理や未収金対応の負担軽減につながります。
一般的なクラウドシステムは請求データや帳票を作成するところまでが中心ですが、カイポケは資金繰りや集金業務までサポートしているのが特徴です。
単に事務作業を効率化するだけでなく、「お金の流れ」に関する業務まで仕組み化できる点は、他の児発・放デイ向けクラウドにはあまり見られない強みだと思います。
【バックオフィス】会計・勤怠・給与もまとめて管理
児発・放デイの運営では、国保連請求だけでなく、勤怠管理や給与計算、会計処理といったバックオフィス業務も欠かせません。
これらをExcelや複数のシステムで管理していると、転記作業やデータ管理の負担が大きくなります。
カイポケでは、会計ソフトで広く利用されているマネーフォワード クラウドと連携することで、バックオフィス業務の効率化も図れます。
マネーフォワードの主要サービスを利用可能
会計・給与・勤怠・経費精算など、事業所運営に必要なバックオフィス機能を利用できます。
カイポケ会員向けの優待価格
マネーフォワード クラウドを、カイポケ会員向けの特典価格で利用できます。
データ連携による業務効率化
売上や勤怠などのデータを連携することで、転記作業や入力ミスの削減につながります。
カイポケは、会計や給与機能を自社で抱え込むのではなく、実績のあるマネーフォワードと連携する形を採用しています。
現場の記録・請求業務はカイポケ、会計・労務・給与はマネーフォワードという役割分担になっており、それぞれの得意分野を活かせるのが特徴です。
事業所だけでなく法人全体の管理まで見据えている点は、カイポケならではの強みと言えるでしょう。
カイポケ児発・放デイが向いている事業所・向いていない事業所
カイポケは、請求業務や記録管理だけでなく、車両や端末の導入支援、会計・金融サービスとの連携など、事業所運営を幅広くサポートするクラウドサービスです。
その一方で、ルクミーやマネーフォワードなどの外部サービスと連携する仕組みもあり、事業所によっては運用ルールを整える必要があります。
そのため、すべての事業所に最適というわけではなく、規模や運営方針によって向き・不向きが分かれるサービスと言えます。
あなたの事業所に合っているかどうか、選定の最終チェックとして参考にしてみてください。
向いている事業所
カイポケが向いているのは、現場業務だけでなく、会計や資金繰りなど事業所運営全体を効率化したい事業所です。
特に次のような事業所と相性が良いと思います。
- 新規開業予定で、開業準備について相談しながら進めたい
- システム・端末・車両などをまとめて準備したい
- 複数店舗を運営しており、管理業務をできるだけ仕組み化したい
- 会計や給与、勤怠管理まで含めて一元管理したい
- 保護者請求や口座振替など、お金に関する事務負担を減らしたい
カイポケの強みは、請求ソフトとしてだけでなく、事業所運営を支える仕組みが幅広く用意されていることです。
「現場業務の効率化」だけでなく、「経営やバックオフィス業務の効率化」も重視したい事業所には、有力な選択肢になると思います。
特にこれから開業する事業所にとっては、開業相談からシステム導入、運営開始後の業務まで一貫してサポートを受けられる点は大きなメリットです。
向いていない事業所
一方で、次のような事業所ではカイポケの強みを十分に活かせない場合があります。
- 児童情報・連絡帳・請求・記録などを同じシステム内で管理したい
- 特定業務に特化した使いやすさを重視したい
- すでに車両や端末、会計ソフトなどの運用体制が整っている
(カイポケの周辺サービスによるメリットを感じにくい場合があります)
カイポケは事業所運営全体を支えるサービスが充実している反面、ルクミーやマネーフォワードなど外部サービスとの連携を活用する場面もあります。
そのため、現場業務をできるだけシンプルに運用したい事業所や、1つのシステムで完結させたい事業所は、他の選択肢も含めて比較検討するとよいでしょう。す。
まとめ
今回は、シリーズ第3回として「カイポケ児発・放デイ」を解説しました。
カイポケの最大の特徴は、請求や記録管理だけでなく、端末の導入支援、資金繰り、口座振替、会計・労務管理まで、事業所運営全体を支える仕組みが用意されていることです。
一般的な業務ソフトが「現場業務の効率化」を目的としているのに対し、カイポケは「事業所運営の基盤づくり」までサポートする総合サービスと言えるでしょう。
特にこれから開業する事業所にとっては、システム導入だけでなく、事業所運営に必要なインフラをまとめて整えられる点がカイポケの大きな強みだと感じました。
- HUG
→ 成長療育に力を入れながら、保護者連絡・支援記録・請求業務まで一体的に管理したい事業所 - コノベル
→ まずは保護者連絡から始めたい、できるだけ費用を抑えてデジタル化を進めたい事業所 - カイポケ児発・放デイ
→ 開業準備や資金繰り、会計・労務まで含めて事業所運営全体を効率化したい事業所
システム選定に絶対の正解はありません。
大切なのは、「どのシステムが優れているか」ではなく、「自分の事業所に合っているか」です。
この記事が、あなたの事業所に合ったシステム選びの参考になれば幸いです。


※本記事はカイポケ公式サイト・資料をもとに作成しています。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
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