【第3回】SE目線で見る放課後等デイサービス向けクラウド「カイポケ児発・放デイ」

第1回では「成長療育型施設向けクラウド」のHUG、第2回では「月額0円から始められる」コノベルをご紹介しました。

「それぞれの特徴は分かったけれど、業界でよく使われている定番のシステムについても知りたい」

そんな方に向けて、今回は「カイポケ児発・放デイ」をご紹介します。

カイポケ児発・放デイは、国保連請求から日々の記録管理まで対応している総合クラウドサービスです。

カイポケの特徴は、請求や記録管理だけではありません。

口座振替やタブレットレンタルなど、事業所運営に関わる周辺サービスまで用意されている点も、カイポケならではの特徴です。

介護・福祉分野で知られているカイポケですが、機能が多いからといって、すべての事業所に向いているとは限りません。

「コノベルやHUGと何が違うの?」
「月額費用に見合う価値はあるの?」

今回は、そんな疑問に答えながら、カイポケ児発・放デイの特徴や、向いている事業所・向いていない事業所について、SEの視点から解説していきます。

放課後デイ向けクラウド選びシリーズ(全3回)
目次

カイポケ児発・放デイとは?

カイポケ児発・放デイは、介護・福祉業界大手の株式会社エス・エム・エスが提供する、児童発達支援・放課後等デイサービス向けの総合型クラウドサービスです。

全国で3,200事業所以上(2026年現在)に導入されています。

大きな特徴は、支援記録の作成、国保連請求、保護者請求、各種帳票作成など、事業所運営に必要な業務をまとめて管理できる点です。

さらに、口座振替や会計連携、タブレットレンタルなど、日々の業務を支える周辺サービスも用意されています。

このように、現場で使う機能だけでなく、請求や事務作業、周辺業務まで幅広くカバーしているのがカイポケの特徴です。

カイポケが事業所運営全体を支えられる理由

支援記録や国保連請求を管理できるシステムは他にもあります。

しかし、カイポケが業界内で高いシェアを維持している理由は、それ以外の部分にもあります。

口座振替による集金業務の効率化、会計ソフトとの連携、タブレットや通信環境の支援など、事業所運営を支える周辺サービスが充実している点です。

ここからは、カイポケならではの代表的なサポート機能を見ていきましょう。

【運営支援】送迎車やタブレットの導入もサポート

児発・放デイを運営するには、システムだけでなく、スマホやタブレット、送迎車などの準備も必要になります。
カイポケには、こうした事業所運営に必要な周辺サービスも用意されています。

カイポケモバイル

業務用スマートフォンを定額料金で利用できる法人向けサービスです。
通話し放題・データ通信付きで、契約期間の縛りや解約金はありません。
遠隔データ消去にも対応しています。

カイポケタブレット

支援記録などに利用できるタブレットを、毎月15GBの通信量込みの月額料金でレンタルできます。
端末を購入する場合と比べて、初期負担を抑えやすいのが特徴です。

カイポケカーリース

送迎車をリースで導入できます。
車両を購入する場合と比べて初期費用を抑えやすく、車両に関する突発的な出費の負担軽減にもつながります。

備品購入サービス

事業所運営に必要な備品も、カイポケ会員向けの特典を利用して購入できます。

このように、システムだけでなく、事業所運営に必要なモノやサービスまでまとめて利用できるのは、カイポケの大きな特徴です。

特に新規開業時は、システム、通信機器、送迎車、備品などをそれぞれ別の業者に依頼する必要があるため、契約先が増えるほど管理する手間も増えていきます。必要なサービスをまとめて検討できることは、開業時の準備を進めるうえでもメリットになります。

【保護者連携】ルクミー連携で連絡業務を効率化

児発・放デイでは、活動報告や欠席・遅刻の受付、緊急時のお知らせなど、保護者との連絡も日々発生します。電話や紙の連絡帳で対応している場合は、職員・保護者の双方に負担がかかります。

カイポケでは、保育・教育分野で利用されている「ルクミー」の保護者連携機能を追加費用なしで利用できます。

デジタル連絡帳

活動記録や連絡事項をアプリ上で共有できます。紙の連絡帳の準備や管理にかかる負担を減らせます。

一斉連絡・お知らせ機能

イベント案内や緊急連絡などを、アプリから保護者へ一斉配信できます。

欠席・遅刻・送迎連絡

保護者はアプリから欠席や遅刻、送迎変更などを連絡できます。電話での受付業務の負担軽減にもつながります。

注意:ルクミー連携で知っておきたいこと

  • ルクミーを利用するには、別途初期設定や保護者へのアプリ案内が必要です。
  • カイポケとルクミーの間で、児童・職員データは自動同期されません。
  • 情報を変更した場合は、両方のシステムで更新が必要になることがあります。

カイポケには専用の保護者向けアプリはありませんが、ルクミーと連携することで保護者との連絡機能を補完できます。

一方で、保護者との連絡機能については、無料プランのコノベルを利用する方法もあります。

そのため、カイポケで請求や記録管理を行い、保護者との連絡にはコノベルを使うといった組み合わせも選択肢の一つです。

一つのサービスですべてをまかなうのではなく、それぞれの得意な機能を組み合わせて使うことで、事業所に合った環境を作れるのもクラウドサービスのメリットです。

【資金繰り支援】早期入金と口座振替サービス

児発・放デイでは、国保連への請求だけでなく、入金までの資金繰りや保護者からの集金も発生します。

カイポケでは、こうした「お金の流れ」に関する業務を支援するサービスも用意されています。

カイポケ早期入金

国保連からの入金を待たずに、請求分を早期に受け取れるサービスです。
新規開業時や事業拡大時など、資金繰りを安定させたい場面で活用できます。

カイポケ口座振替

保護者への請求データをもとに、口座振替による集金業務を行えるサービスです。
現金の受け渡しや集金にかかる手間を減らし、未収金の管理もしやすくなります。

このように、カイポケは請求データや帳票を作成するだけでなく、請求後の入金や保護者からの集金まで含めて、お金の流れを支援できる点が特徴です。

単に事務作業を効率化するだけでなく、請求から入金・集金までの業務を一つのサービス群でつなげられるため、事業所側で管理する業務を減らしやすい仕組みになっています。

【バックオフィス】会計・勤怠・給与もまとめて管理

児発・放デイの運営では、国保連請求だけでなく、勤怠管理や給与計算、会計処理といったバックオフィス業務も欠かせません。

これらをExcelや複数のシステムで別々に管理していると、データの転記や二重入力が発生しやすくなります。

カイポケでは、マネーフォワード クラウドと連携することで、会計や給与、勤怠などのバックオフィス業務も効率化できます。

会計・給与・勤怠などをまとめて管理

会計・給与・勤怠・経費精算など、事業所運営に必要なバックオフィス機能を利用できます。

カイポケ会員向けの優待価格

マネーフォワード クラウドを、カイポケ会員向けの特典価格で利用できます。

データ連携による業務効率化

対応するデータを連携できるため、転記作業や二重入力の削減につながります。

カイポケは、会計や給与などの機能をすべて自社で完結させるのではなく、マネーフォワード クラウドと連携する形を採用しています。

現場の記録・請求業務はカイポケ、会計・労務・給与はマネーフォワードというように役割を分け、それぞれの得意分野を活用できる構成です。

一つのシステムですべてを管理するのではなく、必要なサービスを連携させて業務全体を効率化するという考え方は、カイポケの特徴の一つと言えるでしょう。

カイポケ児発・放デイが向いている事業所・向いていない事業所

カイポケは、請求業務や記録管理だけでなく、車両や端末の導入支援、会計・金融サービスとの連携など、事業所運営を幅広くサポートするクラウドサービスです。

また、ルクミーやマネーフォワードなどの外部サービスと連携して、機能を補完する仕組みも採用しています。

そのため、すべての事業所に同じように向いているわけではなく、事業所の規模や運営方針、どこまでを一つのサービスで管理したいかによって、向き・不向きが分かれます。

ここでは、カイポケがどのような事業所に向いているのか、逆にどのような事業所では別のサービスも検討したほうがよいのかを整理します。

向いている事業所

カイポケが向いているのは、現場業務だけでなく、会計や資金繰りなど、事業所運営全体の効率化を重視したい事業所です。

特に、次のような事業所とは相性が良いでしょう。

  • 新規開業予定で、開業準備について相談しながら進めたい
  • システム・端末・車両などをまとめて準備したい
  • 複数の事業所を運営しており、法人全体の管理も効率化したい
  • 会計や給与、勤怠管理まで含めてバックオフィス業務を効率化したい
  • 保護者請求や口座振替など、お金に関する事務負担を減らしたい

カイポケの強みは、請求ソフトとしてだけでなく、事業所運営を支えるさまざまな仕組みが用意されていることです。

「現場業務の効率化」だけでなく、「経営やバックオフィス業務の効率化」も重視したい事業所にとって、有力な選択肢の一つになるでしょう。

特にこれから開業する事業所にとっては、開業相談からシステム導入、運営開始後の業務まで、幅広いサポートを受けられる点がメリットになります。

向いていない事業所

一方で、次のような事業所では、カイポケの強みを十分に活かせない場合があります。

  • 児童情報・連絡帳・請求・記録などを、できるだけ一つのシステム内で管理したい
  • 特定の業務に特化した、シンプルな使いやすさを重視したい
  • すでに車両や端末、会計ソフトなどの運用体制が整っている

カイポケは、事業所運営全体を幅広く支えられる一方で、ルクミーやマネーフォワードなど、外部サービスと組み合わせて利用する場面もあります。

そのため、複数のサービスを使い分けることに抵抗がなく、必要な機能を組み合わせて運用したい事業所には向いています。

反対に、できるだけ一つのシステムで完結させたい事業所や、現場で使う機能をシンプルにまとめたい事業所は、HUGやコノベルなど他のサービスも含めて比較するとよいでしょう。

まとめ

今回は、シリーズ第3回として「カイポケ児発・放デイ」を解説しました。

カイポケの特徴は、請求や記録管理だけでなく、端末の導入支援、資金繰り、口座振替、会計・労務管理など、事業所運営に関わる幅広い業務をサポートできることです。

また、ルクミーやマネーフォワードなどの外部サービスと連携し、それぞれの得意分野を組み合わせて利用できる点も特徴です。

特にこれから開業する事業所にとっては、システムだけでなく、事業所運営に必要なサービスや環境までまとめて検討できることがメリットになります。

3サービスの選び方を簡単に整理すると…
  • HUG
    → 成長療育に力を入れながら、保護者連絡・支援記録・請求業務まで一体的に管理したい事業所
  • コノベル
    → まずは保護者連絡から始めたい、できるだけ費用を抑えてデジタル化を進めたい事業所
  • カイポケ児発・放デイ
    → 開業準備や資金繰り、会計・労務まで含めて、事業所運営全体を効率化したい事業所

システム選定に絶対の正解はありません。

大切なのは、「どのシステムが優れているか」ではなく、「自分の事業所に合っているか」です。

一つのシステムですべてを完結させるのか、複数のサービスを組み合わせるのかも含めて、自分の事業所に必要な機能や運用方法を考えて選ぶことが大切です。

※本記事はカイポケ公式サイト・資料をもとに作成しています。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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